MGBは、1962年にMGブランドにおける主力車種として発売された2座席2ドア・オープン型のスポーツカーである。前身モデルたる MGAは8年間で10万台以上が生産された人気車であったが、MGBはその後継車種として開発され、エンジンや足回り等の基本設計の一部をMGAから引き継いで設計されたが、ボディがラダーフレーム式からモノコック式に根本的に改められた他、多くの部分で改良が進み、より近代的で高性能な車として開発された。 MGBが1962年に発売されると、軽量な車体がもたらす軽快なハンドリング特性や、比較的高い信頼性、単純な機構による維持のしやすさ等から瞬く間に人気を博し、結局1980年までの19年間の長きに渡りシリーズ全体で52万台以上も製造・販売される大ヒット作となった。現在では2ドア・オープン・スポーツカーの代表車種、及びクラシックカー(ビンテージカー)の入門車種として認知されている。
基本構造は、ソフトトップを備えたオープン型のモノコックボディに、1.8Lの直列4気筒エンジンを搭載し、4速マニュアルトランスミッションで後輪を駆動するというもの。モデルライフの途中には、イタリアの代表的カロッツェリアであるピニンファリーナのデザインによる屋根を付けた2ドア・ハッチバック・クーペ型のボディも設定され、「GT」という名称が与えられた(これに対しオープン版は英国では「ツアラー(Tourer)」」または「ロードスター(Roadster)」と称される)。また、搭載エンジンは直列4気筒だけでなく、モデルライフ途中には直列6気筒も設定され、これには「MGC」という別の車種名が与えられた。 また、V型8気筒が「GT」ボディにのみ設定され、これは「MGB GT V8」と称された。